ジャックナイフストレッチ理論によって設計されたストレッチマシン『ネバータイトハムプレス』とは

ジャックナイフストレッチ理論によって設計されたストレッチマシン『ネバータイトハムプレス』とは

腰椎分離症の第一人者とも呼ばれる帝京大学医学部付属溝口病院 准教授の西良浩一氏の「ジャックナイフストレッチ理論」をもとに、2011年の5月、『ネバータイトハムプレス』というストレッチ器具が発表されました。

『ネバータイトハムプレス』はスポーツリハビリの新しいコンセプトマシンとして大々的に新聞などでも紹介されたのですが、腰痛に関心のある方にとっては西良浩一氏の掲げる「ジャックナイフストレッチ理論」のほうに興味がひかれるのではないでしょうか。

ジャックナイフストレッチとは

ジャックナイフストレッチとは、拮抗筋の収縮による目的筋の相反抑制反射を利用することで、ストレッチ効果を高めて関節の可動領域を増加させるストレッチ理論です。といってもこれだけの解説では理解しづらいですね。

西良浩一氏の理論では、下肢の硬さは、大腿四頭筋と腿の後側の筋肉であるハムストリングスだとしています。大腿四頭筋が硬くなると、腰椎を伸ばそうとした時(後ろに腰を反らす)に骨盤が後ろに回らないことから腰への負荷が増大します。またハムストリングスが硬くなると、前傾姿勢をとった場合に、やはり腰への負担がかかるということです。つまり、大腿四頭筋とハムストリングスの柔軟性が落ちてしまうと、体幹と腰椎の運動ができなくなり、腰に負担をかける動きになってしまうというわけです。

大腿四頭筋とハムストリングスは腿の前と後ろの筋肉ですから、いわゆる拮抗筋となり、関節を曲げたり伸ばしたりした際に、一方は収縮すると他方は緩むようになっています(これを相反抑制反射という)。
通常筋肉は、無理なストレッチングを行うと、痛みが出るため収縮し、上手くストレッチ出来ません。しかし相反抑制を利用することにより、痛みが出にくく、収縮が抑えられて効果の高いストレッチができるのです。

この相反抑制作用をストレッチに取り入れたものが、西良浩一氏のジャックナイフストレッチ理論ということです。なおジャックナイフストレッチのジャックナイフとは、ストレッチの際の姿を横から見た際に、ジャックナイフに似ていることから命名されています。

『ネバータイトハムプレス』の実際の効果に今後注目

『ネバータイトハムプレス』を使用すると、通常年単位の期間を要すると言われる腿の後ろの筋肉を弛緩させるのを、非常に短期間の習得が期待できることから、腰椎分離症の予防やリハビリに画期的なストレッチマシンとなるでしょう。

とくにスポーツ児童は、身長が伸びる時期にあることから、筋肉が思いのほか硬い状態にあります。そのため骨盤の回転が制限されて負担が増大した関節突起部に疲労骨折(腰椎分離症)をこしやすいのです。ジャックナイフ理論に基づいて設計された『ネバータイトハムプレス』が臨床において試されたのち、どのぐらいの効果を見せるか、今後注目されるところです。