腰椎分離症になっていなくてもすべり症になる原因

腰椎分離症になっていなくてもすべり症になる原因

腰椎すべり症は、椎弓部分の疲労骨折(腰椎分離症)が下地となり、後年「椎体のすべり」となって発症するケースもありますが、腰椎すべり症はかならずしも腰椎分離症とセットになって発症するわけではありません。

ここでは分離症になっていない方が腰椎すべり症を発症する原因について、整理してみたいと思います。

急に強い衝撃を受けた場合

腰椎すべり症は筋肉に予想外の力が急激に加わった場合にも発症します。このケースでいちばん多いのはスポーツによるものですが、スポーツをしていない方でも、不意に転倒するといったことで、すべり症になるケースがあります。外から強い負荷がかかった場合は、まず筋肉でその負荷を受け止めますが、不意に大きな負荷がかかると、筋肉もそれを受け止めようとする準備ができていなくて、衝撃をすべて受け止めることができずに、腰であれば靭帯や椎間板に圧力が加わります。その圧力が強ければ椎間板で支えることができずに、文字通りすべり症となってしまいます。

この急激な圧力によって衝撃が加わった場合、筋肉に柔軟性があれば、圧力によって生じたすべりを揺り戻すように働きかけるのですが、筋肉に柔軟性や強靭さがないと、すべったまま戻らなくなって「椎体のすべり」が生じることになります。

若い方だと捻挫で済むケースでも中高年以降では、腰椎すべり症に発展してしまうということです。

長時間デスクワークや運転を強いられる環境

腰椎すべり症は若い頃に生じた分離症の下地がなくても、急に強い圧力が腰にかかったわけではなくてもすべり症になることもあります。

これはあらゆる腰痛の原因でもあるわけですが、デスクワークや長時間のクルマの運転が主な原因です。これは仕事によって避けることができないものですが、座り続けることが、腰椎に対して継続的に負担をかけてしまうことから、自覚のないまま椎体のすべりが起きてしまうということです。

たとえ無理をしても椎間板や筋肉が柔軟で強さもある若いころなら、すべり症になることはありませんが、加齢とともに組織が弱ってくると積み重なった負荷の逃げ場がなくなって「椎体のすべり」が起きてきます。

なお長時間のデスクワークやクルマの運転以外では、腰を曲げて作業する方も、長い時間をかけて腰を痛めてしまいます。

何歳になっても自由に動けるように今から注意しておくべきこと

腰椎すべり症は中高年以降に発症することが多い腰痛で、症状が悪化すると坐骨神経痛や間欠跛行になったりと、日常生活への影響も出てきます。腰椎すべり症にならないようにするには、年々落ちやすくなる筋肉を強化してあげることが大事で、特にお腹の深層筋やお尻の筋肉を強化しておくと、間違いなく腰痛予防につながります。

そして正しい姿勢をとり腰への負担を少なくすることと、疲れた筋肉の疲労を早めに解消してあげること、また体を冷やさないようにすることも、腰痛予防に有効な手段です。

実際に腰痛になってみなければ、こうした心がけを続ける気にはなれないかも知れませんが、何歳になっても、自由に体を動かせるように、今からでも心がけておきたいものです。