腰椎分離症とスポーツ制限について

腰椎分離症とスポーツ制限について

腰椎分離症は、若年者のスポーツ選手に多く見られる脊椎にある椎弓部の疲労骨折のひとつです。一般的に腰椎分離症と診断されると、スポーツを一時中止しなければならないと考えがちですが、レントンゲン検査などで構造的な異常が確認できたとしても、痛みがない場合は、これまで通りスポーツを続けても問題はありません。スポーツを中止しなければならないのは、あくまで腰や下肢に痛みとしびれの自覚症状がある場合です。

椎弓に疲労骨折が見られた場合でも、痛みやしびれがなければ、腰椎分離症とは診断するのは間違いなのかというと、そういうことではありません。椎弓に疲労骨折を起こして分離が認められるというのは、構造的には異常が認められるわけですから、無視するわけにはいきません。しかしレントゲンを撮ってみると、椎弓が分離してしまっているという方は非常に多く、分離症と診断できる異常は健常者にもたくさん認められるものなのです。

つまり構造的に腰椎分離症と診断されても自覚症状がなければ、腰痛症ではないということです。このことは椎間板ヘルニアの場合でも言えることで、椎間板の変成や突出は腰痛の自覚症状がない方でもよく見られるものであって、痛みや下肢のしびれが出ていなければ治療を行うことはありません。
同様に椎弓や関節突起の分離が原因で起こると言われている腰椎すべり症も、症状があらわれていなければ、さしあたって治療する必要はありません。

構造的な異常が、スポーツやトレーニングを続けることで悪化するかということも気になるでしょうが、これについても因果関係は認められていません。ドイツで行なわれた腰椎分離症・すべり症の経過観察(分離症・すべり症をもつ青少年のスポーツ選手を対象に実施)でも、連日集中的なトレーニングを行ったにもかかわらず、腰痛の症状があらわれることがなく、腰椎のすべりがあらわれた層でも軽度で済んでいたということです。痛みやしびれを自覚した場合は、すぐに診てもらう必要がありますが、それまでは好きなスポーツを存分楽しんで良いということになります。