理学療法と鍼灸治療のどちらが良い?

理学療法と鍼灸治療のどちらが良い?

腰椎すべり症は、腰椎下方部が何らかの理由で前方にすべり出す症状です。弾力性を失った椎間板が変性してすべり症の原因となる場合もありますし、若い頃におこった腰椎分離症が原因となって、後年に腰椎すべり症となることもあります。いずれにしても、腰椎の前方移動だけで、痛みやしびれといった症状がでるわけではなく、すべった腰椎が脊柱管を圧迫して神経に悪さをしている状態に至ると、強い痛み、またしびれが腰回りから太もも後部へ広がります。また症状によってはふくらはぎにまで、同様の症状があらわれることもあります。

腰から脚にかけてこのような症状をきたした場合は整形外科で診断・治療することになるわけですが、腰痛治療に関しては、整体や鍼灸などの治療院を訪れる方もいるでしょう。ただし、腰痛といっても、その原因は整形外科以外の病気によるものもありますので、はじめは病院で診てもらう必要があります。

整形外科以外の原因とは細菌感染などによって骨や椎間板が溶けるようなケースです。結核感染によっておこる脊椎カリエスなどは最近少なくなりましたが、ここにきて結核になる方が増えていることから、可能性としてゼロではありません。また腫瘍が原因の腰痛も無視できません。脊椎の腫瘍には悪性のものもありますし、転位して出来た腫瘍は癌の場合もあります。

またレントゲンやMRI検査を行うことで、構造上の問題点を正確に把握できます。これは東洋医学の診療所ではできないことなので病院での診断は外せないと言えるでしょう。

病院での治療は、腰椎すべり症に限らず、ぎっくり腰をはじめとするあらゆる腰痛に関して、まず急性期の痛みを取り除くことからはじまります。その後は理学療法などの保存療法によって、日常生活に支障のないレベルまで痛みをおさえていくわけですが、手術の必要がない腰痛の場合は、急性期の強い痛みが落ち着いたら、鍼灸治療に切り替えるといった選択は患者の自由意志に委ねられます。

ただし鍼灸治療を受けて、かえって症状が悪化したとしても、それは選んだ本人の自己責任となりますので、治療院の選択には注意しなければなりません。また鍼灸治療の効果があらわれにくい方もいますので、合わない方はいくら通っても一般的に言われている効果を実感することはありません。

ちなみに、鍼灸治療でどういったことが改善されていくのかですが、治療院にもよりますが大体3つのポイントに集約されます。

まずひとつが外周神経への影響として、鍼灸刺激によって痛覚神経の痛みの伝達を遮断するために、脊髄の傷害性刺激に対する反応を抑制させる治療です。
つぎに中枢神経への影響として、脳の鎮痛システムが活発を働かせる治療があります。
そして3つ目は脳内ホルモンを活用した鎮痛効果を高めるというものですが、脳内ホルモンのエンドルフィン、脳内モルヒネを増やし、カテコールアミンは減らすということを鍼灸治療で行います。

また鍼灸によって脊椎矯正を行い、神経圧迫を解除することもできます。鍼灸治療が体に合っている方だと、病院での理学療法以上の効果を実感できる場合もあります。