腰椎すべり症と椎間関節性腰痛症

腰椎すべり症と椎間関節性腰痛症

椎間関節性腰痛症は腰椎すべり症の一種で、腰痛の原因が椎間関節にある腰痛の総称です。
椎間関節は脊椎の後方にある左右1対の小関節で、 椎間板とともに椎骨間の支持、連結を行っています。

この関節は上下椎の関節突起によって形成され、滑膜を有する完全な関節です。
背骨は椎骨が積み重なってできていますが、この背骨に何らかの物理的なストレスがかかって引き起こされるのが椎間関節性腰痛症です。

椎間関節性腰痛症は筋・筋膜性腰痛症と同様にぎっくり腰(急性腰痛症)の代表的な病態で、急性の椎間関節性腰痛症は30歳代が最も多く、椎間関節性腰痛症の慢性のものは中高年に多く、この関節に変性や炎症が生じて腰痛が発症します。

典型的な症状は、朝起きる時の症状が強く、「ここが痛い」と指し示すことができるのが特徴です。
しかし、お昼から午後と時間が経過するにつれて、症状が改善されていくというものです。

急性の椎間関節性腰痛は、いわゆるギックリ腰として発症します。
重いものを持ち上げたり、急に体幹を捻ったりすることが引き金となり、関節包や勒帯が傷つくことで、痛みとともに炎症が生じます。

椎間関節をつくる関節包や関節軟骨部には、多くの知覚神経が分布しており、炎症により椎間関節が変化を起こすと、多くの知覚神経を刺激して直接腰部の疼痛を発生させてしまいます。
これが、椎間関節症のギックリ腰なのです。

ギックリ腰による炎症を何度も繰り返すうちに、関節周辺には瘢痕組織が形成されていき、
柔軟性と滑らかな動きが低下した関節は弱化していき、慢性的な椎間関節性腰痛へと移行してしまいます。

椎間関節部にみられる衰えは、加齢とともに複合的な病変をもつ変形性脊椎症へと進行する可能性があります。
また、すべり症などの因子も加わることで、脊柱管狭窄症となることもあります。

急性の場合の治療は、損傷した関節組織が早く修復されるように、安静にし、患部を固定し、冷やします。

一方、中高年に多い慢性の椎間関節性腰痛症は、若い頃からの運動不足や日常生活でのストレス、姿勢の悪さから来るコリや疲労が原因と考えられます。

ストレッチなどで筋肉を鍛えて、固くなった筋肉をほぐしてやることで症状を改善することができますが、高齢者が過度な運動をすると、かえって症状を悪化させることがあります。
無理を感じない程度の運動、つまり30分程度のウォーキングが最適です。
ゆるやかな刺激は背骨のゆがみを整えて椎間関節を改善します。

また、無理のない程度に背筋・腹筋運動をして、腰周りの筋肉を鍛えること、姿勢を改善することも、椎間関節性腰痛症の治療として有効です。