腰椎分離症、症状の有無

腰椎分離症、症状の有無

腰痛を起こす原因疾患の一つに、腰椎分離症があります。
腰椎の後部(椎弓)の、上・下関節突起の間が分離した状態になり、その不安定さから症状を引き起こす可能性のある疾患です

この分離が起こる部位は、もともと構造的に弱いところなのですが、骨が未だ成長段階である青少年期に、激しいスポーツをすることなどで起こる、一種の疲労骨折だとされています。

腰椎分離症の人は意外と多く、大人にも多くみられます。大人の分離は疲労骨折後の偽関節と近似している状態だとされています。
残念ながら、20代以降では分離部の自然治癒は望めないといっていいようです。

大人の分離は、何かの理由でレントゲン写真を撮った時に、分離をたまたま発見したという状況が多く、分離による症状はなかったことが考えられます。
症状がない方には、骨折や偽関節の為の治療はしません。

大人の分離症では、無症状の人が多いのですが、分離部でのすべりが起こりやすくなります。
すべった腰椎によって、神経の通り道である脊柱管が狭くなり、腰や下肢のしびれや運動麻痺などを起こす事があります。

また、もともと弱い部位が分離しているため分離部の脆弱性は否めず、加齢によって変性している椎間板へのストレスが強くなり、ヘルニアを起こしやすくなるとの見解もあります。

子供の場合は治療方針が異なります。
腰痛が生じて間もない急性期であれば、殆どの場合で保存治療による骨癒合が期待できます。
少なくとも半年はスポーツを制限し、競技への本格参加は禁止し、硬性コルセットをきちんと装着するように指導します。

分離症はスポーツを活発におこなっている子供に生じやすく、スポーツ好きの子供に半年もの安静を強いることは、子供であるだけになかなか受け入れがたいものがあると思われます。

親やスポーツ指導者が、この少年時代にしかできない保存治療であることや、放置した場合のデメリットを説明して納得して貰わなくてはなりません。
長い治療期間中には、心理面に配慮した医師の診療と、親やスポーツ指導者も子供に対する心理的ケアが必要になります。

大人になっても分離が残った場合は、症状がなければ特に治療の必要はありませんが、
分離部由来の腰痛が続いて生活に支障がある場合、年齢を重ねてすべり症や脊柱管狭窄症を発症した場合には治療が必要になります。

疼痛に対しては薬物療法やブロック療法を用いますが、それらの効果がなければ手術も考慮されます。

手術は分離部の固定術が一般的ですが、脊柱管狭窄症の症状が現れている場合には、椎弓切除術+脊椎固定術が必要になる事があります。