人間の成長と腰椎分離

人間の成長と腰椎分離

腰椎分離症は、骨が未発達な時期に、激しいスポーツなどを行ったことが原因で疲労骨折を起こしたものだと云われています。

発育期に分離した脊椎の前方にある”shear stress”(許容せん断応力)に対する”weakest-link”(最も弱い部分)は、成長する軟骨板(椎間板の最も外側で、椎骨と接触している部分)にあたります。

このweakest-link(最も弱い部分)である軟骨板に、ストレスが集中した場合、さらに脆弱化することは明らかです。

軟骨板は、軟骨細胞の集まりで、この部分は増殖力がさかんで、この軟骨が骨に変化していくことによって、骨が成長していきます。
また、成長期には、骨の表面の骨膜から骨芽細胞がつくりだされ、この細胞が骨に変化する(膜性骨化)ことで、骨は太くなっていきます。

成長する軟骨板に疲労骨折が生じると、これが原因で椎骨が前方にすべり出してしまいます。これが腰椎すべり症だと考えられています。
 軟骨から骨に移行する 途中の成長段階では、過度に掛かった応力を支えきれないためです。
発育期に腰椎分離症からすべりを生じるのは、すべりの主原因が成長する軟骨板にあるからです。

18歳以下の腰椎分離症の患者を調査すると、骨年齢が最も若いC stageですべりがよく起きる年齢であって、椎体成長が終了するE stageではすべりの進行がほぼないことが明らかになっています。

成長する軟骨板における、前方せん断負荷に対する強度はC stageで最小となることがわかるでしょう。
成長途中における成長する軟骨の脆弱性によってC stageにすべりがよく起きるわけです。

腰椎すべり症と成長の関係はとても深く、C stageに発見された腰椎分離症は、いつでも腰椎すべり症に進展する可能性を持っていますので、そのことを頭において治療をする必要があるでしょう。

腰椎分離症はあまり痛みを伴わない事が多く、つい見過ごされることが多いのですが、後年になって腰椎すべり症に発展することも多く、この場合には、すべりが脊柱管狭窄症の引き金にもなってしまいます。

スポーツを一生懸命に行なっている若年層の方は、要注意です。