腰椎分離症・すべり症の痛みの不思議

腰椎分離症・すべり症の痛みの不思議

腰椎分離症は、腰椎の一部が分離(疲労骨折)したままの状態であり、腰椎すべり症は、腰椎が前に辷りだしている状態をいいます。

それらが理由で背骨が不安定になって神経を刺激し、腰痛になるという事が一般的です。ただ、腰椎分離症やすべり症の痛みは骨の状態とあまり関係がないと考える医師もいます。

分離や辷りがレントゲンで確認されても、痛みが全くない人もいるのです。
また、腰椎分離症や腰椎すべり症の痛みは、長時間同じ姿勢を続けていたり、重労働をした後、スポーツをした後に出るのが特徴で、体を後ろに反らせると激しく痛むことがあります。

このようなことから、骨折や辷りは痛みの直接の原因ではないと考えられるようになっています。

実は、10年程前の日本腰痛学会での調査で、興味深い結果が報告されています。
日本のある地域で、65歳以上85歳未満の女性、98人を調査したところ、約30%の人に腰椎すべり症が起きていたのですが、すべり症の人からの腰痛の訴えは少なかった、という事です。

また、生まれつきの特徴として腰椎がすべっている人もいますが、そうした人も必ず腰痛を訴えるわけではないのです。

分離症やすべり症では、常に腰痛がある訳ではなく、普段はなんともない状態で暮らしている人は大勢います。

整形外科医もよくいうのですが、すべりの程度と症状の程度に相関関係はないそうです。
すべりの幅が大きくても痛みのない人もいれば、ほとんどすべっていなくても、痛む人は痛いという事です。

そう考えると、必ずしも「分離」や「すべり」があるから痛いのではないという事になります。

東洋医学では、腰椎分離症・すべり症の痛みを、分離やすべりそのものによる神経圧迫によるものとは考えておらず、分離やすべりと同時に起きている、筋肉の血行不良によるものと考えています。

腰椎に分離やすべりがあると、S時カーブが崩れ、腰が不安定になります。
不安定になった腰を支えるために、筋肉をはじめ、周囲の組織が固くなり、痛みの原因となるのです。

症状が「しびれ」の場合も、筋肉の緊張で起きているものが多く、腰痛の場合と考え方は同じです。