腰椎すべり症とは

腰椎すべり症とは

腰椎は第1腰椎から第5腰椎まであり、正常であれば正面から見ても横から見てもきれいに並んでいます。

腰椎は、通常簡単にずれたりしないよう強固な靭帯で繋がっていますが、椎間関節と呼ばれる背骨の関節が壊れてしまったり、椎間板の異常、骨の変性などによって骨がずれてしまうことがあり、これをすべり症と言います。

すべり症には、椎体が後ろ側へずれてしまう「後方すべり症」の場合も稀にありますが、殆どは、前にずれてしまう「前方すべり症」です。

すべり症は原因によって3つのタイプに分けられています。
形成不全性すべり症、分離すべり症、変性すべり症、と大きく分けるとになります。

形成不全性すべり症は、比較的若いうちから症状が出てくることがあります。
先天的に脊椎の発育に問題があるために起こるもので、極めてまれです。

分離すべり症は一番大きながかかる第5腰椎に多いのが特徴です。
日本人の5~7%くらいは分離症を発症していて、そのうちの一部がすべり症を発症するものです。

最も多いすべり症は変性すべり症です。
変性すべり症は第4腰椎が多く、次に第5腰椎、第3腰椎に見られます。

閉経後の高齢の女性に多い疾患で、女性ホルモンの減少による骨粗しょう症の進行によって骨が脆くなり、それまで支えられていた骨が支えられなくなった事が要因と言われています。

一説によると、椎間関節の傾きが、前方にすべりやすい形をしているので、骨が脆くなるとすべりが起こるともいわれています。

変性すべり症の主な症状は、腰痛、下肢の痛みやしびれです。
また、辷った椎骨が脊柱管を狭窄することがあり、歩行障害、足のしびれや冷感、違和感などさまざまな下肢の症状を呈することがあります。
脊柱管狭窄症の特徴的な症状である、間欠跛行を呈することもあります。

立っていたり、動いたり、長時間歩いたりすると、腰痛や下肢痛、しびれが増強するのが特徴で、症状が悪化すると安静時でも痛みを感じるようになります。

変性すべり症の起こる部位には、馬尾神経が、尿や便など排泄の機能を支配している神経などと束になって存在しているため、馬尾神経が障害を受けると膀胱・直腸障害をきたし、排泄に問題を生じることがあります。
また、会陰部の知覚障害やほてり感が出ることもあります。