腰椎すべり症とぎっくり腰

腰椎すべり症とぎっくり腰

「ぎっくり腰」というのはよく使われる言葉ですが、病名ではありません。
急に強く腰をひねったり、重い物を持ち上げようとしたときなどに激しい腰痛が発生するのを俗に「ぎっくり腰」とよんでいるもので、「急性腰痛」「椎間捻挫」のことです。

腰椎すべり症とぎっくり腰の病態は全く別ですが、症状が起こるメカニズムは同じで、大きな違いは「痛み」の現れ方にあります。

ぎっくり腰は、欧米ではその病態から「魔女の一撃」とも呼ばれているように、突然で激しい痛みに襲われます。

多くのケースでは、くしゃみなどふとした動作の時にギクっと痛めてしまうことが多いようです。

この時、腰を支える機能が低下し、腰部を支える筋肉、関節、椎間板などを痛め、ほとんど身体を動かすことができないほどの激痛を経験する人も少なくありません。

ぎっくり腰の原因は様々で、ぎっくり腰になる人の数だけ原因があるといわれているほどですが、はっきりとした原因が分からず、非特異的腰痛症と呼ばれることがあります。

腰椎すべり症は、なんとなく痛い、腰に違和感があるという程度の痛みが徐々に進行していきますので、ぎっくり腰のような激痛を起こすことはまずありません。

しかし、腰椎のすべりが起きた瞬間は「腰が抜けそうなヒヤッとした感覚」に見舞われる事もあるようです。

腰椎すべり症では、長い間の生活習慣や加齢などによって腰椎が徐々に前方にすべり出して行くのですが、ぎっくり腰は腰椎が瞬間的にずれてしまい、負荷に耐え切れなくなった筋肉、関節、椎間板が一瞬にして障害を起こしてしまうのです。

激痛の原因は、瞬間的な滑りを察知した腰の筋肉が腰椎を元の位置へと戻そうと反発するため、瞬間的に筋肉などに大きな負荷がかかり、筋肉は炎症反応を起こし「激しい痛み」「発熱」といった諸症状を引き起こしてしまうのです。

腰椎すべり症では、滑ってずれた腰椎が元に戻らずに、ずれっぱなしなので、急激な痛みはなく、腰の痛みは鈍痛です。
しかし、腰椎すべり症においても、状況によっては激しい痛みが現れることがあります。、

「腰椎がずれる」という点においては「ぎっくり腰」でもあり「腰椎すべり症」でもあるのです。

ぎっくり腰(急性腰痛症)はスポーツや、生活習慣、肥満なども原因となるので、若い世代にも多くおこる病態ですが、腰椎すべり症は比較的高齢者に多い病態です。